MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

「貝に続く場所にて」

石沢麻衣著 芥川賞受賞作 東日本大震災から9年 コロナ禍の大学都市ゲッティンゲン 同じく東北の大学で美術専攻で震災後行方不明になった友人の霊が私の元に現れる プルーストは紅茶にマドレーヌ(貝殻)を浸して記憶を確かめた 本作も東北と震災の”貝に続く場所”の記憶を遡っていく

素晴らしい傑作

トカルチュクの描く作品が全宇宙のグローバルな”星座小説”ならこの作品は銀河系のローカルなプラネタリウムに収まるサイズの”星座小説”という感じ

元来が長編向きのテーマなので学術や諸文学の要素をもっと尾鰭を足して重厚な作品にリライト出来る …というかして欲しいと思った作品