MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

「アラビアン・ナイト99の謎」

中世ヨーロッパ〜中国の幻想・訓話・歴史・伝承・神話の集大成 アリババ(アリー爸爸)=ペルシアと中国のシルクロード交易 シンドバッド(インドの街)=インド アラジン(アラー・ウッディーン)=中国 せむし男=ユダヤ教徒とキリスト教徒 ハールーン・アッラシード=実在の人物

「日本陸軍とモンゴル」

満洲国を盤石にしてソ連と中国に備えたい日本陸軍 独立済の北と中国自治区の南を統一したいモンゴル 2つの野心が交わり創設された興安軍官学校 独立を謳うモンゴル人を利用する日本陸軍は盧溝橋事件やノモンハン事件を機にモンゴル人もアジア・太平洋戦争に巻き込んでいった…

「中央アジアの歴史」

古来より東西文明の十字路だった中央アジア ヨーロッパ→コーカサス→インド→ギリシア→イラン→チベット→アラブ→トルコ→モンゴル→ウズベク→アフガン→中国→ロシア→イギリス→日本 オアシス都市国家+草原遊牧民=遊牧大帝国 イスラーム化とテュルク化でトルキスタンが成立

「乳しぼり娘とゴミの丘のおとぎ噺」

ラティフェ・テキン著 トルコ作家 スラム街を舞台にした「百年の孤独」やコルタサル「南部高速道路」的なトルコ発マジックリアリズム 戦後流浪の民となった農民が掘立小屋を丘に建て集住し警察も取締を諦め共同体形成 更に世代を経て初代の神話・伝承・民話が進行

「モンゴル帝国 草原のダイナミズムと女たち」

実力主義の遊牧民は総じて母権的で戦闘に限り男が優位だが日常生活では女が主導権を握る 空前の大国家モンゴル帝国でも同様 確かに男系指導者の多いイスラーム世界でも遊牧民が支配的なマムルーク朝エジプト建国者の女奴隷シャジャル・アッドゥッルも奴隷王朝インド将軍ラズィーヤ・スルタンを輩出したし男尊女卑の強い中国史でも遊牧王朝の唐は女帝を出したしオスマン帝国ハレムのヒュッレムが絶大な権力を持った また男尊女卑の強い一神教文明に対し平等主義を謳う仏教は父権的なインドと中国では定着せず東南アジアと東アジアで定着した チンギス→オゴダイ→グユク→モンケ→フビライの周囲で暮らした”モンゴル帝国のビッグマム達”と強かな姫君の知られざる逸話を紹介する良著

「ノーベル賞で語る現代経済学」

ノーベル賞で現代経済学史の変遷を概観 計量経済学の普及とIS-LMモデル シカゴ学派と新自由主義の台頭 ゲーム理論の応用とナッシュ均衡 行動経済学と厚生経済学の逆襲 環境経済学と産業組織論のマクロ開拓 受賞者75%がアメリカ人と資本主義偏重 現在は社会科学総合の賞

「イスラム世界の経済史」

中世の時点で重商主義市場貨幣流通交換経済という資本主義手前まで進みながら近代経済構造がついぞ起きなかったイスラーム世界 イスラーム経済史を辿りその真価を量る ダーウィン+アダム・スミス+マキャヴェリ+杉山正明を先取った万能の天才イブン・ハルドゥーンの業績も紹介