「かか」

宇佐見りん著
サイン本
1中編1短編
“かか”
劣等生の次女うーちゃん
不倫で父逃亡後に発狂した母”かか”と冷たい祖母
手術する母の痛みに呼応して痛む心と体
(現代の孤独)SNS+田舎
(伝統的孤独)オイディプス・コンプレックス
双論を多角的に描く
解説:町田康
”三十一日”
犬の死を愁う少女の心境

f:id:MarioPamuk:20220519222206j:image

個人的には「推し燃ゆ」よりも好み
文体も構造もかなり変えていて多才さが伺える
感想は町田康とほぼ同じ

良くある母子ネタを少し捻って方言・ネット・独白・人称数・生理・思春期と絡めて独自性を出している

「メイスン&ディクスン 下」

トマス=ピンチョン著

アメリカ作家
重税と従属に抗い高まるアメリ独立運動前夜
英国→ケープ植民地→東部13植民地
世界測量航海の後半
善悪・人種・民族・奴隷・文化・宗教・歴史・自然・経済…
全てを秩序づける”近代国境制度”を深く突き付ける
喜怒哀楽を共にした仲間に別れを惜しむ偉人の哀愁あるラスト

f:id:MarioPamuk:20220519175018j:image

「メイスン&ディクスン 上」

トマス=ピンチョン著
アメリカ作家
“新大陸の地形を策定せよ!”
イギリス王立協会の命で派遣された天文学者チャールズ・メイスンと測量師ジェレマイア・ディクスンの航海日誌
南北戦争の発端”メイスン=ディクスン線”誕生秘話
古英語調の幻獣・神話・科学の奇想天外な世界

f:id:MarioPamuk:20220519174736j:image

「女王ロアーナ 神秘の炎 下」

ウンベルト=エーコ

イタリア作家
歴史と著者自身の過去を辿る旅も終盤へ
神秘の炎に包まれた在りし日の女性画像”女王ロアーナ”
ムッソリーニ体制に子供ながら感じた違和感と共感
栄光のローマ帝国文化と”未回収のイタリア”を巡る動乱
小説としても面白いが歴史回顧録や文化研究書としても充実のデータ量

f:id:MarioPamuk:20220519174652j:image

「女王ロアーナ 神秘の炎 上」

ウンベルト=エーコ
イタリア作家・記号学者・メディア学者
事故で逆行性健忘症となった患者を主人公にファシズム期イタリアを研学の著者の回想とを重ねた半自伝
イタリア以外の国も含めカラー版で漫画・ポスター・風刺画・新聞・広告・風景写真・パッケージを大量収録

f:id:MarioPamuk:20220519174622j:image