MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

「ソロモンの歌」

トニ=モリスン著 ノーベル賞アメリカ作家 少年になっても母の乳を飲む黒人はミルクマンと綽名された 内気な彼はしかし悪友の導きで密造酒売買を皮切りに自身の家系を辿る長い旅を始める “誰もが黒人の命を欲しがっている” 過酷なアメリカ黒人の人生はそれ自体が神話であるかのようだ

黒人奴隷は私生児も多く家系を辿る事さえ難しい だからこそモリスンは自身の小説で徹底的にそこに拘る

「ビラブド」はアメリカに渡った500年に及ぶ 5000万人もの黒人奴隷を対象に描いた

一方「ソロモンの歌」は現代に的を絞り所謂”現代アフリカ系アメリカ人”とは何か?を問い詰めた作品のように思う