MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

「越境」

コーマック=マッカーシーアメリカ作家 国境3部作第2章 野生狼と出会い村を出て放浪する少年 ドストエフスキー形而上学性 フォークナーの暴力性と野生性 コンラッドのロード・ノベル性 マンや中国義侠のピカレスク性 “計算された偶然性”を繰り広げる展開は深淵で神話的な正に天才の所業

確かにフォークナーも神話的だが回想で旅をしても作中で物理的現実的に旅はしないのでロードノベルと言えない

一方マッカーシーは夢・現実・非現実の虚実を使い分けつつ神話的冒険をあくまで日常的な視点から描く

且つこれらが冷淡でメリハリある文体に蒸留されブラックホールの様な独特な引力を生む