MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2023-03-24 to 1 day

「ロリータ」

ウラジーミル=ナボコフ著ロシア作家“ロリータ”の生みの親ナボコフ官能小説であり教養小説であり言語遊戯でありピカレスクでありミステリでありロードノベルであり夢幻文学であり文芸批評小説でもあるロリータ我が命の光我が腰の炎我が罪我が魂ロ・リー・タ……

「菜食主義者」

ハン=ガン著韓国作家・詩人国際ブッカー賞受賞作3連作中編夢に魘され菜食主義に目覚めた平凡な主婦の崩壊過程を3視点で描く1部”菜食主義者”主婦の夫2部”蒙古斑”主婦の姉3部”木の花火”姉の夫(義兄)無機物と有機物の距離を融解した詩的表現を日常に潜らせる怖…

「放浪者 あるいは海賊ペロル」

ジョゼフ=コンラッド著ポーランド系イギリス作家”偉大なるフランス人”として海賊人生を全うした老航海士ペロル放浪の末に南フランスで静かな終活を送るはずだっただがナポレオン戦争の勃発で”愛国者”として最後の戦いに身を任せてゆく船乗りの天晴れな最後…

「転落」

アルベール=カミュ著ノーベル賞フランス作家“私は告解者にして裁判官なのです…”或るバーにおける或る男による5日間180Pの或る独白アムステルダムの酒場に入り浸る没落貴族らしき男が語る半生“転落”する者に寄り添い続けた結果”転落”する者に成り下がってし…

「西南役伝説」

石牟礼道子著伝承は伝説へ伝説が作品へ西郷隆盛その最後の花道”西南の役”を見聞した最後の者たちの語り明治維新の激動から150年しか経っていないことに改めて驚く“熊本ば農村に人が剣を振るう田畑さ踏び森さ燃えよる…”“出自ば分かるぬ棘神さんさ銀主に建ち替…

「バーガーの娘2」

ナディン=ゴーディマ著ノーベル賞南アフリカ作家弟も事故死幼馴染の黒人少年も蒸発恋人も喪失孤独になった少女の現実逃避パリで芸術に浸りニースで性の解放に悦びロンドンで母国の惨状を知る自由な西欧を捨て不自由な祖国へ帰国両親と同じ運命を辿り抗う先…

「バーガーの娘1」

ナディン=ゴーディマ著ノーベル賞南アフリカ作家父は共産党指導者母は革命家反アパルトヘイトを訴え獄中死した勇敢なバーガー家だが”娘”ローズは至って普通の女の子執拗な監視と親の同士からの過度な期待重圧から逃げて両者から裏切り者扱いされ恋人も失う…

「円」

劉慈欽著中国SF作家13短編集脅威の短編butterfly effect請負人鯨の脳波操作始皇帝と荊軻の円陣mRNA操作シャボン玉で砂漠を緑に“鯨歌”“地火”“郷村教師”“繊維”“メッセンジャー”“カオスの蝶”“詩雲”“栄光と夢”“円円のシャボン玉”“2018年4月1日”“月の光”“人生”“円”