MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

「心は孤独な狩人」

カーソン=マッカラーズ著 アメリカ作家 23歳の処女作 世界恐慌〜第二次大戦 聾唖者 黒人 ヘイト 銃社会 アル中 貧困 子供 人種差別 ファシズム 共産主義 不穏なアメリカ南部某町で孤独な人々が言葉と心を交わし合う 虚しい絶望は埋まらない それでも孤独は希望の光を導いてくれる

同時代を扱った作品なら具体性・写実性・話題性・テーマ・スケール・文章はスタインベック怒りの葡萄」の方が総合的に高いと思う

だがやはり”23歳の初長編”という1点で上記全てが無碍にしてしまう名作 村上春樹サリンジャーカポーティ等”早熟の天才ながら晩年は書けなくなるアメリカ作家”に惹かれるようだ