MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

「サーデグ・ヘダーヤト短編集」

サーデグ=ヘダーヤト著
パフレヴィー朝イラン作家
10短編3散文詩
内省的な感情の吐露と外性的な言動の激情
伝統的なイラン文化と歴史の夥しい引用をフランス心理小説の形式で独白(=ほぼ著者の思想)
宰相輩出の名家で自殺未遂と放浪生活を続けた
個人的には正直カフカ以上に強烈な不条理文学

イメージだと1番近いのフランスの夭折作家ポール・ニザン「アデン アラビア」かなと思う

しかしニザンの様に若さ故の葛藤はない
逆にその分だけ若気の至りとは言い難い何とも言えない底知れない狂気がある

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以下収録作

“鉤爪”
拝火教徒”
“最後の微笑”
“袋小路”
“仮面”
“慕情の幻影”
“明日”
“ミザントロープのお話” ※散文詩
キングコングの話” ※散文詩
“生命の水”
“鼻毛の話” ※散文詩
“欲望を滅却した男”
“暗室”