MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2022-08-25 to 1 day

「恋と夏」

ウィリアム=トレヴァー著アイルランド作家若い男女の不倫話も名人にかかればたちまち”小さな町での素敵なひと夏の逢瀬”に早変わり日本と違い涼しいアイルランドの夏の匂いや風を感じる文章が美しい過去と現在のカットバックすれ違いと接近の連続誰も知らな…

「戦争と女の顔」

8/21新宿武蔵野館にて鑑賞(地域限定上映で中部と近畿にはなくどうしても観たかった)ノーベル賞ベラルーシ作家スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチ「戦争は女の顔をしていない」を映像化戦中は平和を望む戦後は平穏を望む戦争の”後遺症”が男と女の顔に永遠の…

「冬の夜ひとりの旅人が」

イタロ=カルヴィーノ著イタリア作家“主人公=読者”の実験的私小説奇数章:本書を読む読者の内面推察偶数章:全く無関係同士なコラージュ10短編独特な構成で交代進行三島曰く”面白さより異世界没入感こそ小説の真髄”暗い世界での“男性読者”と”女性読者”の斬新な…

「ル・クレジオ 映画を語る」

ジャン=マリ=ギュスターヴ=ル=クレジオ著ノーベル賞フランス作家文学と同じ芸術と捉え映画に造詣が深い作家は多い戦後の映画界は日本の黄金期イラン・韓国・インド・日本と内容も詳細な著者の映画論特にサタジット・レイやキアロスタミやマフマルバフが…