MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

「皇帝ハイレ・セラシエ」

リシャルト=カプシチンスキ著
ポーランド作家・記者
天皇より古い2000年の歴史を持つエチオピア王家
最後の皇帝ハイレ・セラシエ
vs
国家転覆軍人メンギスツ
徹底した取材力でクーデター時の側近・民衆・王・暴動者・村人と多階層が見た”事変”を活写
圧倒的な密度のルポ文学

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“1万人のジャーナリストが束になってもカプシチンスキ氏1人の慧眼に及ばない”
ーサルマン・ラシュデイー

即時性が圧倒的に価値を持つ報道
ではルポ文学は無意味なのか?

本書がそれを証明している
両方の文才を持つカプシチンスキやアレクシェーヴィッチが典型
歴史的事件の裏を鮮やかに暴く