MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

「心は燃える」

ジャン=マリ=ギュスターヴ=ル=クレジオ著
ノーベル賞フランス作家
7中短編集
表題作がほぼ煉獄さん
自身の移民・移住体験から海と冒険と異文化を繊細に描く
大人と子供の狭間を歩く少女が眩しい
“心は燃える”
“冒険を探す”
“孤独という名のホテル”
“三つの冒険”
“カリマ”
“宝物殿”

 

特に以下2中編が素晴らしい
“心は燃える”
母の再婚に伴いメキシコに移住する姉妹
母は男に溺れ妹はアウトロー化し家庭崩壊
姉は努力で司法の道に進むが家族を救えずに後悔
手を繋ぎ笑ったあの日には戻れない
“宝物殿”
ペトラ遺跡を発掘したブルクハルト一族の冒険
砂漠と古代遺跡の幻想的描写が美しい

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