MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2021-08-06 to 1 day

ル=クレジオ祭〜宴の後〜

2週間に渡った計28冊ル=クレジオ祭まだ未読本もありますがこれにて終了 小説は勿論エッセイや学術書に紀行本まで余韻がすごい、、! 彼の詩的で調べ尽くされた歴史や自然を描く文章は本当に世界各国を旅行した気分になれる 特にモーリシャスとマグレブへの…

「逃亡の書」

ジャン=マリ=ギュスターヴ=ル=クレジオ著ノーベル賞フランス作家ニースを小説舞台にしてきた著者が海外を描いた転換点的作品現代文明に幻滅し世界を放浪する主人公の姿は著者のそれ“逃亡の書”冒険とは現実逃避でもある夢と希望と好奇心持ち合わせていな…

「歌の祭り」

ジャン=マリ=ギュスターヴ=ル=クレジオ著コロンブス以前のメキシコやアンデス文明について論じた研究書著者の人生を変えたパナマのエンベラ族との出逢いパスやアストゥリアスなどの中米作家への私論裸族・呪術・生贄など独特な中南米文明と西洋文明を比…

「さまよえる星」

ジャン=マリ=ギュスターヴ=ル=クレジオ著時はホロコースト迫害のフランスを抜け約束の地エルサレムへ渡るユダヤ少女そこで出逢うパレスティナ少女“さまよえる六芒星”ヨルダンでのベドゥィンとの邂逅“戦争は女と子供の顔をしていない”民族国家と西洋文明…

「ラガ」

ジャン=マリ=ギュスターヴ=ル=クレジオ著ノーベル賞フランス作家“見えない大陸”オセアニアはかつて航海者が夢見たジーランドやムー大陸そのものだったバヌアツ共和国高台からの通過儀礼バンジーと宝石の様な海で有名な島嶼共和国奴隷制や航海者への接近…

「ロドリゲス島への旅」

ジャン=マリ=ギュスターヴ=ル=クレジオ著ノーベル賞フランス作家著者の父祖が住んだモーリシャス共和国ロドリゲス島へ想いを馳せる1冊少し前に美しい海を日本のタンカーが重油事故で汚したのは記憶に新しい名著「黄金探索者」の創作秘話河出文庫さん!早…

「もう一つの場所」

ジャン=マリ=ギュスターヴ=ル=クレジオ著ノーベル賞フランス作家メディアとのインタビュー対談を記録TV出演や子供向け読者も多くパリで1番好きな風景はフランク王国時代からある玉蜀黍畑現代文明を見つめ直したい人にお勧め取材者の話を聞き間違えたりお…

「物質的恍惚」

ジャン=マリ=ギュスターヴ=ル=クレジオ著ノーベル賞フランス作家抽象的かつ文明物質論的な難解さを孕む初期作品ロートレアモンやレヴィ=ストロース等の思想を交えて本の存在意義を問う物質への恍惚に満ちた現代文明の浅薄さを批判し言語的・自然的な言…