MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

「性的人間」

大江健三郎
日本ノーベル賞作家
3中編集
“性的人間”
<痴漢が主題の嵐のような詩>を夢見る若者と彼に心酔する”性的人間”の痴漢同盟の末路
“セヴンティーン”
17歳で右翼化した政治的人間の末路
(続編の第2部もあるが脅迫で50年後に書籍化)
“共同生活”
監視に怯えながら自涜に耽る男の末路

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性が政治を狂わせるのか?
政治が性を狂わせるのか?

大江はどちらも答えとなりうることを示した
だからこそ両極端なテーマの中編がカップリングされている

表裏一体の“性的人間”と”政治的人間”
奇しくも60年前に大江が予言した少子高齢化社会と政治無関心の同時進行が齎す悲劇は今がピークだと思う