MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

「スーラ」

トニ=モリスン著
ノーベル賞アメリカ作家
底辺黒人集落50年史
奔放なスーラ
大人しいネル
対照的だが友人の黒人少女2人
村中の男を寝盗る娘?
自殺記念日を作った息子?
戦後廃人化した子を安楽死する母?
歪んだ愛も愛である事は変わらない
白人の差別は黒人間にも差別や人格破綻を招いた

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敢えて白人老女を主人公に据えたクッツェー「鉄の時代」
本書も同じく単純な黒人差別に一捻入れる点が上手い

中編ながら大事件も短く書かれたり描写も凄惨で歯応えあり
大戦期〜キング牧師

幼少〜成人の成長

時代がリンクしており細部の描写にも奥行きがある

スーラの典型的femme fatale感がいい