MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

ファン=ガブリエル=バスケス全4冊読破記念総書評

エベリオ・ロセーロと共に新世代コロンビアを代表する“第2のガボ
硬質で時間軸が往来する文体と政治を糾弾する社会派リアリズムはリョサを思わせる
アメリカの庭”中南米に燻る親米や反米を多彩な角度から描く
歴史と異文化が主軸の重厚なサスペンスとミステリ

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以下個人的ランキング

1.「コスタグアナ秘史」
2.「廃墟の形」
3.「密告者」
4.「物が落ちる音」

各作品ともテーマ・キャラ・社会を非常に鋭く深掘りしている
麻薬戦争や政治家暗殺などコロンビア独特の社会を揶揄
一方で庶民を主人公に据えることで時代と国内外の政治外交に翻弄される市民の視点を得た普遍性も持つ