MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2023-10-27 to 1 day

「ちいさな国で」

ガエル=ファイユ著 フランス亡命ブルンジ作家・ラッパー フランス人の父とルワンダ人の母を持つブルンジ少年 小さな国の幸せな生活は欧米の画策で突如”平和から戦争”へ 1994内戦 少数派牧畜民ツチ族vs多数派農耕民フツ族 美しかった湖水の小国は70万人大虐…

「アフリカの日々」

イサク=デイネセン著 デンマーク作家 ナイロビのコーヒー農園経営女性の自伝 美しく広大なサファリ ガゼルとの戯れ キクユ族・マサイ族・ソマリ族との友情 英国貴族との恋と離別 第一次大戦に伴う政変 そして訪れる農園売却の日 美しい表現とアフリカへの愛…

「フランス怪談集」総書評

シュールな作品もあるが映画「エスター」的な写実的でゾクッとするリアリズムホラーが多め リアリズム→シュールリアリズム→実存主義とフランス文学史の変遷を時系列でも理解可能 ユダヤ系や外国人作家も収録 全体に歴史な風俗の知識に詳かで註や翻訳者のレベ…

「木乃伊つくる女」

一日一編 フランス怪談集 マルセル=シュオッブ著 ユダヤ系フランス作家 リビアかエチオピア辺りの砂漠のある風習が残る村 出会ったのは嬉々として木乃伊(ミイラ)を作っていく女 そこに迷い込む兄弟 気付いた時には…? ミイラ取りがミイラになる一方でミイラ…

「代書人」

一日一編 フランス怪談集 ミシェル=ド=ゲルドロード著 ベルギー生まれフラマン語(実質フランス語のベルギー方言)劇作家 死の臭う残酷かつ暗黒な作品が多い イエス処刑者ピラトゥスと同名主人公 (ただし時代と設定の詳細は明かされない) 儀式めいた生活と不…

「ハントケ・コレクション1」

ペーター=ハントケ著 ノーベル賞オーストリア作家 2中編1講演 共通点は母語り “長い別れのための短い手紙” 1文だけの別れの言葉から辿る長い別れの記憶 “幸せではないがもういい” 自殺した母は幸せだったか? 母国の内戦と息子への思いを息子が綴る “ノーベ…

「夢宮殿」

イスマイル=カダレ著 アルバニア作家 国民の夢をスルタンが管理する官僚機構”夢宮殿”タビル・サライ オスマン帝国名家青年に迫る陰謀と夢の螺旋 ⭐︎⭐︎読書会⭐︎⭐︎ 11/26(日)13:00〜14:30 形式:Zoom 文学講義に近い読書会です ↓応募先↓ kotonoha.bungaku@gmail…