MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2023-09-08 to 1 day

「旅をする裸の眼」

多和田葉子著 ドイツ・日本作家 ベトナムの女子高生が留学先の東ドイツにて西ドイツの青年に唆され気付けばパリへ到着 映画女優に惹かれ居住地と肉体関係を得てパリで生活 12年も仏語未修得のまま独語とベトナム語だけで主人公にフランス社会を分析し語らせる…

「凍りついた女」

アニー=エルノー著 ノーベル賞フランス作家 自営業家庭で性差を意識せず育った少女 しかし結婚後に労働社会へ組み込まれるや”妻”と”母”と”教師”と”女”の全方面で両立を求められる エルノーの描く女性像は男性にすら共感を優に超えた追体験を強制する 身も心…

「あの子」

一日一編 20世紀アメリカ文学短編選 キャサリン=アン=ポーター著 知的障害者の”あの子” 身体こそ頑丈な”あの子” 近所で嘲笑される“あの子” 他の兄妹より可愛い”あの子” 神の恩寵を受けている”あの子” 守ってあげる必要がある”あの子” 100年前の障害者蔑視…

「パット・ホビーとオーソン・ウェルズ」

一日一編 20世紀アメリカ文学短編選 スコット=フィッツジェラルド著 落ち目の俳優が長い顎髭を付ければ今話題の俳優にそっくりと気付く 試しに変装してみると勘違い続出 本人の葛藤に加えトラブルにも巻き込まれて…? ハリウッド台本も書く著者らしい短編

「オットー大帝」

カール大帝後に唯一欧州を統一した大帝オットー1世 ザクセン東フランク伯から神聖ローマ皇帝へ レヒフェルトの戦い ロートリンゲン領有 スラヴ布教 イタリア遠征 ヨハネス12世服属 司教座確立 息子の叛逆鎮圧 神寵帝理念 ノルマン人撃退 帝国教会政策 ビザン…