MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2022-06-11 to 1 day

「世界鉄道文化史」

鉄道誕生〜技術・サービス・経営・快適性の進化史蒸気→ディーゼル→電気→新幹線→リニアの変遷明治期の日本鉄道網誕生と拡大トマスクック社やJTBによる旅行大衆化満鉄を巡る政治的陰謀7カ国語話者駅員と「オリエント急行殺人事件」今や世界の幹線2/3の”鉄道大…

「大丈夫な人」

カン=ファギル著韓国作家短編9集“女性の日常はスリラー”断片的情景を心配→不安→恐怖に持ち込むサスペンス特化の心理描写版マンロー“湖―別の人”“ニコラ幼稚園―貴い人”“大丈夫な人”“虫たち”“あなたに似た歌”“部屋”“雪だるま”“グル・マリクが記憶していること”…

「ル・クレジオ 文学と書物への愛を語る」

ジャン=マリ=ギュスターヴ=ル=クレジオ著ノーベル賞フランス作家中国各大学での講演集古今東西の文学を嗜み自身も世界各国が舞台の小説を書く著者中国語訳者や莫言との絆中国と欧米を比較検証し文学と書物の意義を語る索引に便利な別冊人命小事典つき 著…

「シャギー・ベイン」

ダグラス=スチュアート著スコットランド作家ブッカー賞受賞作半自伝+処女作=傑作酒+男癖が強い美人母アグネス男色で虐めに遭う息子シャギー醜男だが狡猾で好色な父シャグサッチャーの脱英国病政策で高失業率の炭鉱街グラスゴー宗教・性差・貧困と闘う母子の…

「重力の虹」総書評

トマス=ピンチョン著 アメリカ作家世界各国の多分野かつ徹底的な深い博識を1冊の本にまとめた奇跡的な小説元ボーイング社(世界的な米宇宙機器航空製造企業)勤務の著者だけあり凄まじい科学用語の量加えて世界史上の駆け引きや魅力的なキャラとても読み解け…

「重力の虹 下」

トマス=ピンチョン著 アメリカ作家 重力の虹にかかるV2の軌道の行方は?ロケット工学航空工学材料力学音楽流体力学文学歴史学各国史数学解析学統計学論理学量子力学制御工学有機合成化学神経生理学薬理学認知心理学精神分析精神医学社会経済宗教現代史陰謀…

「重力の虹 上」

トマス=ピンチョン著アメリカ作家鍵は”勃起”登場人物400の5大陸に跨る“ロケット爆弾V2開発の世界史”キルギス実験科学者イギリス軍人と霊媒師ナチ党ドイツ+化学財閥クルップ社研究員アルゼンチン革命家大日本帝国海軍少佐ナミビア通信事業者アメリカ軍事機関…

「雪の練習生」

多和田葉子著ドイツ・日本作家主人公はホッキョクグマ更に親子孫3代のサーガの3部構成ロシアから東ドイツにサーカス要因で飼育された親だが子や孫は年代記を記したり動物園で寂しく暮らすロシア・ドイツ・動物愛護・環境問題・異文化言語比較など得意の分野…