MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2022-03-16 to 1 day

「最後のライオニ」

韓国SF作家パンデミック6短編集“最後のライオニ”破滅社会のクローンとAIの絆“死んだ鯨から来た人々”鯨が家の終末世界“ミジョンの未定の箱”感染前への時空超越“あの箱”コロナ禍の不自由“チャカタパの熱望で”破裂音・濁音の消えた世界“虫の竜巻”竜巻級の雀蜂蚊…

「ビルマ 1946」

テインペーミン著ミャンマー作家・ビルマ共産党書記長アウンサン将軍(スーチー女史の父)の独立前夜の村日本占領後に国民国家を目指す有志だが国内は民族・派閥で分裂化互いに諜報し殺し合う様を多階級・多職業視点で描く現在も続く“軍事独裁型ビルマ式社会主…

「時間の分子生物学」

蛸も蝿も人間もDNAのタンパク質構造は7割が同質7億年前に生存機能をほぼ完成し遺伝させたため1日=24Hの時間感覚”概日周期”と睡眠は全生物共通また近年の研究で生物は”生きる為に眠る”のではなく”眠る為に生きる”可能性も示唆されているユング明晰夢や遺伝子…

「続・世界文学論集」

ジョン=マクスウェル=クッツェー著ノーベル賞南アフリカ作家“最高の作家にして最高の読書家”「世界文学論集」より対象がマイナーなで詩人が多めな続編翻訳・モラル・多文化・条理の考察が光る特にナイポール論とズヴェーヴォと国際都市トリエステの関係は…

「異常」

エルヴェ=ル=テリエ著フランス作家ゴンクール賞受賞作“蝶の羽搏き(Butterfly effect)”“黒い白鳥(Black swan)”“我思う故に我あり(Cogito ergo sum)”飛行機事故に遭った人々 移譲…………以上…………移乗…………異常 “おっとお客様!”“離着陸時にはご身上にお気をつけ…

「昔々の昔から」

イヴァーナ=ブルリッチ=マジュラニッチ著8短編集クロアチア作家ノーベル賞候補にもなった”クロアチアのアンデルセン”9世紀まで文字を持たなかったスラヴ人の神話を民間伝承を題材に想像力・情熱・資料分析で0から築いた幻想文学妖精・竜退治・海底王国など…

「改革の時代」

マーティン=ウィクラマシンハ著スリランカ作家独立後に時代の激動に飲まれ西洋近代化するスリランカ側の親結婚後に逃げるように移住したイギリスから手紙を送る息子夫婦伝統的な母国と革新的な移住国で悉くすれ違う価値観コロニアル都市ゴールを舞台に起き…