MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

「クーデタ」

ジョン=アップダイク著
アメリカ作家
時は冷戦
舞台はサハラ架空国家クシュ
体制はイスラム社会主義
主役はアメリカで学びクーデタで凱旋した大統領
アメリカ化する第三世界”の葛藤・堕落・繁栄を敢えてアメリカ人が描く斬新な構図
現在なら”覇権を狙う中国と日本版”の作品も見てみたい

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訳者池澤夏樹も自著「マシアス・ギリの失脚」で本書の設定を模倣した

モデルは南スーダンが最も近いと思うが該当国はない
架空なら史実にも縛られず自由かつ緻密な設定も可能

イスラムの4妻帯制+1愛人が全て別人種で文化衝突させる設定も上手い
アフリカが舞台ながら超大国アメリカを客観化する試み