MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2023-09-14 to 1 day

「20世紀アメリカ短編選 上」

一日一編で読んできた多彩な作家の20世紀前半アメリカ文学 田舎が8割を占める辺り世界最先進国も当時は自然や因習が残されていたことが分かる また移民やハリウッドに西漸運動などやはりアメリカは東から形成されたことを実感した ノーベル賞作家も3人と質も…

「スティックマンの笑い」

一日一編 20世紀アメリカ文学短編選 ネルソン=オルグレン著 酒と賭に溺れるダメな夫とそれを可哀想と許してしまうダメな妻 結果スティックマンなる男に給料日に全額を賭けに唆され借金地獄へ 100年前の田舎の退屈な日々に刺激を求めようとすると概ね悲劇に…

「クレーヴの奥方」

ラファイエット夫人 ブルボン朝フランス作家 “世界初の心理小説” 冒頭はブルボン王家200年のヨーロッパ名家婚姻史 妻:クレーヴの奥方 夫:クレーヴ公 貴公子:ヌムール公 アンリ2世期王宮における社交界の三角関係 男女の接近とすれ違いを個別に精緻な心理描写…

「スウェーデン人だらけの土地」

一日一編 20世紀アメリカ文学短編選 アースキン=コールドウェル著 フロンティア消滅で分散出来ずに行き場を失ったスウェーデン移民 その光景を必要以上に恐怖する地元人を滑稽に描く 移民や異文化への偏見は今でも …というよりも現在進行形の日本で顕著な気…

「走ることについて語るときに僕の語ること」

村上春樹著 “長距離走と小説執筆は孤独で苦しいが達成感がある点で似ている” 33歳から年1でフルマラソンを走り2000年からは年1のトライアスロンにも挑戦してきた著者 人間やはり長年継続してきた事を話す時は説得力がある 著者のエッセイで最も面白かった

「ある婦人の肖像」総書評

ヘンリー=ジェイムズ著 アメリカ出身イギリス作家 ジェイムズの初期代表作&映画化原作 19世紀アメリカとヨーロッパの異文化を精緻かつ豊かな心情と人間関係から描く 「女の一生」 「ハワーズエンド」 「高慢と偏見」 「アンナ・カレーニナ」 「ボヴァリー夫…

「ある婦人の肖像 下」

ヘンリー=ジェイムズ著 アメリカ出身イギリス作家 “全ての道はローマに通ず” 信じていた夫に裏切られ遂に別れる事を決意した夫人 従兄危篤の報を受けロンドンに戻り初めて彼の愛を知る 悲しみの中で過去に求婚を断った英国紳士との愛の再燃 次の旅路は”約束…

「ある婦人の肖像 中」

ヘンリー=ジェイムズ著 アメリカ出身イギリス作家 父の死により莫大な遺産を手に入れた美女 求婚が増える一方でヨーロッパ文化に傾倒しイタリア文化に魅了される 更にフィレンツェ在住のバツ1アメリカ人と結婚し前妻の娘を含む新たな生活が始まるが…? 一方…

「ある婦人の肖像 上」

ヘンリー=ジェイムズ著 アメリカ出身イギリス作家 ニューヨーク出身の知的上流階級の魅力的な美女 親戚訪問先のロンドンで多くの求婚を退けながらも異文化に魅力と違和感を感じる 教養・文化・芸術と積極的に吸収する美女 vs 個性的な男性陣のプロポーズ大…