MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2023-03-29 to 1 day

「バレエの世界史」

フィレンツェでのルネサンスに始まるバレエ600年の世界史メディチ家カトリーヌ王妃がフランスに輸出し自身もプロ級のルイ14世期から総合舞台芸術へ近代では高級娼婦や哲学者の兼任者も現在でも画家・俳優・劇作家の著名人を輩出各国で国際バレエ団創設とSNS…

「夕霧花園」

タン=トゥアンエン著華僑系マレーシア作家国際ブッカー賞最終候補“愛した人は敵なのか?”天皇の庭師&刺青師のアリトモ日本軍暴行で指2本と誇りを失った女性ユンリン多人種多階級が苦悩した太平洋戦争の裏側従軍慰安婦・虐殺・戦争・諜報・芸術・財宝…日本庭…

「iPhuck10」

ヴィクトル=ペレーヴィン著ロシア作家ウェルベック的風刺の近未来小説生活必需品のスマホが更に進化し”10世代バーチャル性具体験媒体”へiPhuck愛Phuck会Phuck隘Phuck合Phuckセックスと娯楽に囲まれながら映画制作に熱中する主人公だが現実認識と仮想空間の…

「人口で語る世界史」

人口=国力1800年以降の”世界人口史分析”人口は最も確実性の高い未来予測政策的に人口増加に成功した国が経済成長にも成功する若者人口が多いほど殺人発生率も高い1人っ子政策は不要だった高齢化社会ほど停滞30年後アフリカが世界人口の半分となり経済的に強…

「グロサ」

ファン=ホセ=サエール著アルゼンチン作家1部:最初の7ブロック2部:次の7ブロック3部:最後の7ブロック男2人が計21ブロックの通りを歩き回想するだけの話その最中に過去現在や有象無象の人々を召喚した”自由間接話法”+”意識の流れ”文体の極地アルゼンチン青年…

「ノー・カントリー・フォー・オールド・メン」

コーマック=マッカーシー著アメリカ作家“老人に住まう国なくば”最後の西部劇×犯罪小説偶然テキサスで大量の札束を見つけて盗みメキシコ国境まで逃走する男案の定お尋ね者となり麻薬売買や暴力事件に巻き込まれていく保安官との殺人や心理戦が見所

「言葉と歩く日記」

多和田葉子著ドイツ・日本作家人は歩くそして人は言葉を使う従って人の使う言葉もまた歩いている言葉の旅日本語とドイツ語という言語学的にも離れた多言語話者である著者の分析は毎日の日記すら溢れる程の発見がある特にマスメディアや広告の”言葉の劣化”著…