MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2022-12-13 to 1 day

「ルミナリーズ」

エレノア=キャトン著ニュージーランド作家ブッカー賞受賞作ヴィクトリア朝の金塊殺人ミステリ復讐・降霊会・金鉱・マオリ・華僑・銀行員・娼婦・スラム・アヘン戦争・法廷・ホテル・新聞社・海運成金…“天球(Luminaries)”に配置されし”輝けし者たち(Luminari…

「少年時代」

ラビンドラナート=タゴール著ノーベル賞イギリス領インド帝国詩人・音楽家・教育者・作家著者の少年期回顧録ムガル帝国以前に遡れる程の名家イギリス支配で英語教育が流行る中ベンガル語に注力し英語との両刀で詩を吟じた1/3のページを割きタゴール家兄弟の…

「古代オリエント全史」

“肥沃な奔流”メソポタミア“大国の草刈場”シリア“鉱物豊かな印欧語族”アナトリア“偉大な傍流”エジプト“騎馬簒奪者官僚”ペルシア“暴虐と分裂”ヘレニズム3000年に及ぶ古代オリエントは時空間軸が広く国際交流も活発現代史に置き換えても人間の本質を歴史から俯…

「にっぽん製」

三島由紀夫著三角関係の恋×戦前戦後の価値観パリ凱旋の美人ファッションデザイナー(モデル:森英恵)企業柔道選手金持ちパトロン紳士“美女と野獣と成金”3竦みの心理戦更に子分志願の泥棒とフランス人柔道家も闖入するドタバタコメディ登場人物全員が思うがまま…

「果樹園の守り手」

コーマック=マッカーシー著アメリカ作家フォークナー的南部社会を描く処女作強盗殺人を目論んだ男が逆にヤンキーの返り討ちで殺害ー数年後ーヤンキー殺された男の息子果樹園で死体を発見した老人3人の邂逅は何を齎すのか…?アパラチアの神話的暴力と神秘的…