MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2022-10-31 to 1 day

「父を想う」

閻連科著中国作家半自伝的エッセイ莫言と同じく貧しい農村出で高校や大学に通えず入隊後に作家になった著者鄧小平の登場後に「紅楼夢」や外国文学を知り驚嘆した経験はその作風にも影響は顕著父の家族への愛と暴力も厭わない厳しさギャンブル狂だが憎めない…

「ザリガニの鳴くところ」

ディーリア=オーエンズ著アメリカ作家・動物行動学者沼地での男の不審死を殺人事件と仮定し捜索する警察と裁判官恋と自然に満ちて生きた”湿地の少女”両章の交代進行で徐々に明かされる事件の全貌と容疑者の過去愛し続けた“ザリガニの鳴く故郷”に愛されなか…

「若く逝きしもの」

フランス=エーミル=シッランパー著ノーベル賞フィンランド作家厳しくも雄大な自然に逞しく生きる農民の少女しかし世界大戦で敵国の兵を慈愛で助け自国から売国奴扱いされてしまう…“祖国の農民人生への理解と自然との関係を描いた高い技術”ノーベル賞受賞理…

「愛の疾走」

三島由紀夫著売れない小説家の野心作原稿「愛の疾走」リアリティを醸すため実際に諏訪湖畔の漁撈青年と最先進カメラ工場OLをあの手この手で恋させる作戦を敢行原稿と現実が交代進行しながら徐々にマスコミ騒ぎになる程のロマンスへ…そしてインスピレーション…

「レター教室」

三島由紀夫著手紙交換を赤ペンで修正しながら進む形式45歳:英語塾経営高飛車マダム45歳:パパ活狙いの有名デザイナー20歳:マダムに可愛がられるのが嫌なモテOL23歳:劇団員の左翼青年25歳:マダムの従兄で太り気味の妄想3留男子学生天の声:三島由紀夫キャラも著…