MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2022-02-16 to 1 day

「青の時代」

三島由紀夫著詐欺被害を機に闇金会社設立で没落した三島の先輩東大生がモデル19才の作品で著者公認通り他作より質は劣るただ自己の幼少〜学生までを関連付けて作品に落とし込む技量は完成の域悪事を正当化する論理的秀才の頭を覗くのは「罪と罰」主人公ラス…

「盗賊」

三島由紀夫著著者初の長編“人は恋する時に最も嘘を付く”失恋ショックで自殺を試みる”ウェルテル効果”を同時期に経験する男女“心中”のため結婚を装ってまで2人を結ぶ不思議な絆失恋が生から死の美学を象り失望が風前の灯を照らす非現実的設定ながら巧みな心理…

「絹と明察」

三島由紀夫著実話ベースの社会派小説“社員は家族”と語る一方で個人崇拝と男権経営を行う紡績会社の社長女工の圧死事故や豪遊が批判されストライキに発展高度経済成長期の古臭い企業体質とブルジョワ支配を揶揄真面目ゆえ憎めない社長と労働環境の着実な時代…