MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

「ステパンチコヴォ村とその住人たち」

フョードル=ミハイロヴィッチドストエフスキー
ロシア作家
バルザック的ドタバタ人間喜劇の幻の初期長編
地方富裕層家系の主人公と縁戚
帰郷したら拾われ直後のホームレス青年に将軍の叔父や娘に支配されていた…!
一計を案じる主人公と住人たちの結末は?

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「ロウソクの科学」

マイケル=ファラデー著
イギリス化学者・物理学者
ヴィクトリア朝の書店バイトから独学と実験で王立研究所長まで登り詰め科学啓蒙を積極的に促した
電磁誘導・電気分解ベンゼン発見と多彩な業績
中でも本書は”燃焼反応と大気の化学反応の総合的実験分析”を分かりやすく解説する

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「愛する大地(Terra Amata)」

ジャン=マリ=ギュスターヴ=ル=クレジオ著
ノーベル賞フランス作家
“大地に生きている”
“大地に生かされている”
手話・モールス信号・意識の流れを言語化した実験小説
聴覚的リズム+視覚的エクリチュール=知覚的ヌーヴォーロマン
誕生から埋葬まで大地が育む生物の世界

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「フィリッポ/サウル」

ヴィットーリオ=アルフィエーリ著
サルデーニャ王国貴族・劇作家
2中編
“フィリッポ”
カトー・カンブレジ条約前後のスペイン王家王子の父王暗殺計画と王妃の群像劇
“サウル”
神の命令に叛き寵愛を失うイスラエル王サウル
ゴリアテ討伐で名声を博すダビデ王子
権力禅譲期を描く

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「彼女の思い出/逆さまの森」

ジェローム=デビッド=サリンジャー
アメリカ作家
8短編1中編集
世界大戦を経験したロスジェネ代表作家サリンジャー
ライ麦畑でつかまえて」で有名だが短編の方がキレ味も抜群で上手い
軍人・難民・移民・戦争・亡命…
行き場を失った若者の想いと悲哀を優しく見守る

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収録作
“彼女の思い出”
“ヴァリオニ兄弟”
“おれの軍曹”
“ボーイ・ミーツ・ガールが始まらない”
“すぐに覚えます”
“ふたりの問題”
“新兵に関する個人的な覚書”
“ブルー・メロディ”
“逆さまの森”