MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

「人形の家」

ヘンリク=イプセン
ノルウェー劇作家
“妻であり母である前に人間”
フェミニズム的だが”女”でなく”人間”な点で反近代的
仕事も社会も家族も機械化した近代は”人形の家”
病の夫のため借金した妻を強請る銀行家
妻の借金を恥じ怒る夫に対する妻の選択とは?
150年経た現代こそ読みたい1冊

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「世界史の叡智 悪役・名脇役編」

現行の世界史教科書は”西洋が覇権を制した理由”に詳しい
200年後の教科書には”西洋の覇権はなぜ100年しか持たなかったのか?”となっているだろう
特に世界史は時代や国で評価が変わる
映画監督や皇帝に修道女まで
賛否両論の評価を持つ”世界史の叡智”51人を簡潔に紹介

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「龍の起源」

東洋では神獣
西洋では悪魔
古今東西の伝説で最高位の存在”龍”
既に殷(前1400年)の甲骨文字に”龍”の字を確認可能
リヴァイアサン
八岐大蛇(大和大蛇)
ウラエウス
ケツァルコアトル
ナーガ
青龍
ヴリトラ
ヨルムンガルド
ウロボロス
ワイバーン
龍=蛇行する川神
洪水伝説の四大文明が起源

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「死刑囚最後の日」

ヴィクトル=ユゴー
フランス文豪の初期作
死刑制度廃止を訴える為に執筆した
主人公の死刑囚に名も職も年齢も伏せて普遍的共感を呼ぶ
また1日という短期間で迫る恐怖と緊張感を演出
欧米は死刑制度ほぼ全廃を達成したが日米中は未実現
だが遺族や治安の悪化と難題も残されている

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「空気の名前」

アルベルト=ルイ=サンチェス著
メキシコ作家
舞台はモロッコ
描写はイスラム
主題は思春期少女の成長
技法は魔術的リアリズム
文体は散文詩
エッサウィラ(旧モガドール)を訪れメキシコ文化の根底にスペイン=イスラム性を感じて書いた作品
フランス詩に近い芳醇な性とハマムが印象的

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