MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2024-02-20 to 1 day

「推敲」

トーマス=ベルンハルト著 オーストリア作家 世界的建築家(世界的哲学者ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインがモデル) 彼の遺稿を推敲する半知性的な故郷嫌いの主人公が300Pに渡り只管に愚痴を綴るだけの小説 逆に愚痴だけで300Pも読ませる一貫した憤怒と狂気…

「ゴーレム伝説」

一日一編 東欧怪談集 イツホク=レイブシュ=ペレツ著 ユダヤ系ロシア領ポーランド作家 イディッシュ文学創設者の1人でハシディズム寓話はカフカにも影響を与えたという プラハの民に迫害と凌辱を受けてきたユダヤ人ゲットー 偉大なるマハーラールは泥人形の…

「骨と骨髄」

一日一編 東欧怪談集 タマーシ=アーロン著 ルーマニア系ハンガリー作家 歴史的ハンガリー現ルーマニア領セーケイ地方の国民作家 “世界は骨に支えられている” 戦争で肉を与えられる老憲兵 骨は腐らず残り失せた骨が何処にあるか知ろうとする彼だけが変わらな…