MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2023-09-15 to 1 day

「ある記憶」

一日一編 20世紀アメリカ文学短編選 ユードラ=ウェルティ著 ビーチで戯れる様々な男女を眺めながら自分の男性遍歴を回顧する思春期始めの少女 年齢は明かされないがサガン「悲しみよこんにちは」の前段階の年齢の少女を描いたものと思われる 幼いながらの想…

「嘘つき」

ヘンリー=ジェイムズ著 アメリカ出身イギリス作家 3中編 いずれも恋愛をテーマにしながら丁寧な心理描写がサスペンス式に進行 ”信頼できない語り手”の先駆けとなる実験に満ちた中編群 “50男の日記” 書簡体小説の嘘 “嘘つき” 芸術家と彼の庇護者の嘘 “モード…

「ランス」

一日一編 20世紀アメリカ文学短編選 ウラジーミル=ナボコフ著 宇宙飛行士として飛び立った息子の帰りを待つ老夫婦 心配が過ぎる余り色々と妄想や在りし日の思い出を回顧してしまう姿と冷静な宇宙飛行士の対比が面白い ナボコフらしい言語遊戯や当時の宇宙先…