MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2023-08-04 to 1 day

「終わりの感覚」

ジュリアン=バーンズ著イギリス作家ブッカー賞受賞作余りにも王道すぎる傑作純文学“若さとは知ること”“老いるとは忘れること”自殺した友の遺品の導きで親友でもある寡婦と再会する老人死の真相と押し寄せる悔恨両義的孤独に麻痺するように研ぎ澄まされてい…

「未来散歩練習」

パク=ソルメ著韓国作家信頼していた米軍は軍事独裁を見過ごした光州事件の虐殺に対し市民はアメリカ文化院放火という憤怒で応えたー数年後ー釈放された放火犯と家族5人が過去の追憶と未来の模索日常の機微に見出す静かな真理とは?歩く程に散っていくヒリつ…

「カリブ海アンティル諸島の民話と伝説」

テレーズ=ジョルジェル編フランス編集者34短編集元々ゾンビはハイチ固有の文化クレオール擁するカリブ圏は実は世界的な作家を輩出する文学先進地帯黒人奴隷・白人入植者・先住民の融合は正に文化的小宇宙島には居ない動物すら登場する独特な民話と伝説 (民…