MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2023-07-16 to 1 day

「鯨の死滅する日」

大江健三郎著日本ノーベル賞作家エッセイ集“地球最大の海洋生物である鯨が死滅する日が来るならその方舟に人間は乗ることはできぬだろう”「沖縄ノート」取材裏側エリオットアップダイクミラーエラスムス安部公房白鳥政宗ドストエフスキーアメリカ旅行者の夢…

「美しいアナベル・リイ」

大江健三郎著日本ノーベル賞作家“﨟たしアナベル・リイ総毛立ちつみまかりつ”ポー「アナベル・リイ」が下地のナボコフ「ロリータ」を更に下地にした映画”M計画”当時は幼児ポルノ懸念から断念したが老境で再始動時を超えたエロティックな”無削除版”放映の反応…

「小説の経験」

大江健三郎著日本ノーベル賞作家評論集第1部:文学再入門(古典など世界文学)第2部:文藝時評(芥川賞など日本文学)プロットよりも1文を具に吟味する評論ドストエフスキーやマンに漱石から村上春樹まで小川洋子や多和田葉子など現在最前線で活躍する作家の若手時…

「暴力に逆らって書く」

大江健三郎著日本ノーベル賞作家世界各国各分野の知識人11人と交わす贅沢な往復書簡文通相手はノーベル賞作家を始めとした旧来の友人も多く本音トークも多い共通点は”国家と権力の暴力に逆らって意見する勇気ある知識人”であること深く鋭い洞察と行動派作家…

「大江健三郎と”晩年の仕事(レイトワーク)”」

ノーベル賞受賞後に作風を180°変えた 或いは”変えることが出来た”作家は大江健三郎だけだ文学人生を総括した“晩年の仕事”6作に絞って解説<6作の共通項>女性が立つおかしな2人組み家族と音楽自己批評古典引用による原点回帰若さへの訣別と老いの受容