MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2023-07-11 to 1 day

「宙返り 下」

大江健三郎著日本ノーベル賞作家ギー兄さん亡き後に四国の森に戻った師匠は焼身儀式を図る再建の集会を開く教団篤信女性・技師団・音楽家・画家…聖痕の受容と永遠に向けた各々の千年王国神とは?教祖とは?人間とは?天皇とは?戦後民主主義の祈りを込めた”…

「宙返り 上」

大江健三郎著日本ノーベル賞作家オウム真理教事件に触発されバブル崩壊で魂の行き場を失いカルト化した日本と自作品の融合した集大成的作品新興宗教団体の師匠と案内人は教義を”宙返り”して隠居するー10年後ー画家と少女の出会いが<反キリスト>新生教団結成…

「鎖国してはならない」

大江健三郎著日本ノーベル賞作家公演集世界文学の読み手にして日本民俗学を軸にした作品群を書く作家の”精神・文化的な鎖国への警鐘”歴史教科書改竄や国歌斉唱強制など超国家主義回帰に憤る戦時の丸山眞男が福沢諭吉を読んだように大江も”新しい人”に戦時体…

「大江健三郎の”義”」

大江文学における柳田國男の民俗学と島崎藤村「夜明け前」社会作品ごとに転生を繰り返す”ギー兄さん”「万延元年のフットボール」と「同時代ゲーム」を軸に迫る”義”の謎とレゾンデートル(存在意”義”)西洋文学を吸収しながら独自の日本民俗を作品舞台にした”la…

「ピンチランナー調書」

大江健三郎著日本ノーベル賞受作家核の危機を憂いて宇宙から派遣された”転換”を経たピンチランナー2人組の原発技師”森・父”と障害者”光・父”敵対する”親方(パトロン)革命派半革命派Trickster(道化)やクンデラ流の”嗤い”を取り入れた原発建造と反政府運動を巡…