MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2023-05-01 to 1 day

「ノヴァ・ヘラス」

11短編集ギリシアSFアンソロジー考えてみれば古代の科学先進地ギリシアの神話はSFとも言える具体的な科学蘊蓄は少ないが豊かな想像力とテンポ良い展開が魅力アンドロイドARVR宇宙大洪水環境問題AI仮想娼婦人工受粉疫災色覚障害移民問題人権意識国境問題社会…

「供述によるとペレイラは…」

アントニオ=タブッキ著イタリア作家ファシズムの狂気が静かに忍び寄る第二次世界大戦前夜リスボン ご報告の通り“供述によるとペレイラは…”文芸誌編集者庇護者寡夫肥満者隠遁者あるいは…? “供述によるとペレイラは…”もう既に行方不明になっているようです

「本町通り 下」

“村落病ウィルス”から一時避難し”都市の空気は自由にする”と言わんばかりに深呼吸…でもやっぱり本町も恋しい!複雑な胸中で選ぶ決断とは?田舎と都会の縮図はそのまま1920年代アメリカ中流階級の日常を多声的多角的に鋭く風刺田舎あるあるの普遍性に頷くと共…

「本町通り 中」

“村落病ウィルス撲滅運動!”シティガール妻vs保守的田舎ヤンキー!地元の誇りを尊重しながら折り合いを付け都会風を吹かせる努力も虚しく同調圧力に板挟み妻の喜怒哀楽と悪気がないゆえ辛辣な村民の悲喜劇更に息子も産まれて家庭も忙しくなる中”本町色”に染…

「本町通り 上」

シンクレア=ルイス著ノーベル賞アメリカ(初)作家アメリカ版「女の一生」+「ミドルマーチ」+「ハワーズ・エンド」都会育ちで文化薫陶を受けた美人妻牧歌的農村のエリート医者の夫妻は都会気分を忘れられず劇や朗読と街おこしに奔走するが…?政治経済文化を等…

「物語チベットの歴史」

吐蕃・吐谷渾・西夏難攻不落の4000m首都ラサの政教一致密教中世では唐が和平する程の軍事大国チベット仏教がラマ教に発展元で国教→明清でオイラトと女真に保護転生で継承されダライ・ラマ13世で亡命後継ダライ・ラマ14世も亡命し北京五輪など現在も独立運動…

「トルコの歴史 下」

西欧への優越から均衡化したオスマン帝国セリム3世:腐敗イェニチェリ一掃ムハンマド・アリー:マムルーク殲滅西欧:150年に亘る分割”瀕死の病人”に凋落した柔軟な多宗教多民族国家タンジマート〜エンヴェルとケマル登場現代のエルドアンやクリミア=タタール問…

「トルコの歴史 上」

世界史上最も広範囲に移住拡大したトルコ民族匈奴→突厥→ウイグル(イスラム化)→セルジューク朝(マムルークの世界進出)→オスマン朝(東欧イスラム化)弓や食など現代も古代アルタイ期の俗習を保持カラオスマンオウル家などアーヤーン研究とオスマン朝の文化・生…