MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2023-02-01 to 1 month

「鏡と光 上」

ヒラリー=マンテル著イギリス作家スコット賞受賞作(再)クロムウェル3部作3章王妃アン・ブーリン処刑ケンブリッジ学長王璽尚書英国教会秘書数ヵ国語を操り各国大使を誑かし王家を唆し取り込んだ政敵も全て葬りった無敵の宰相は叛乱鎮圧に奔走するが老王は猜…

「罪人を召し出せ」

ヒラリー=マンテル著イギリス作家ブッカー賞(連続)&コスタ賞W受賞クロムウェル3部作2章枢機卿ウルジー失脚と大法官モア処刑トマス同士3名の争いはクロムウェルが制す王妃争いはアンがキャサリンに勝利するが優柔不断な王を尻目に暴走王妃を止めるクロムウェ…

「ウルフ・ホール 下」

ヒラリー=マンテル著 イギリス作家裏の権力闘争場シーモア家屋敷通称”狼の巣窟(ウルフ・ホール)”後継嫡子に悩みヘンリー8世は離婚を望むが教皇が許さず遂に英国教会樹立を果断その頂点の座を大法官トマス・モアと争うクロムウェル司教から息子まで宗教から…

「ウルフ・ホール 上」

ヒラリー=マンテル著イギリス作家ブッカー賞&全米批評家協会賞&スコット賞T受賞作クロムウェル3部作1章百年戦争で大陸領土を失い薔薇戦争で有力貴族が没落必然の実力主義時代名誉革命の護国卿が祖先クロムウェル鍛冶屋から国王以上の権力者へ出世し処刑され…

「沈黙」

ドン=デリーロ著アメリカ作家カミュが「ペスト」で描いた通り非常事態は人の本性を暴く突如として原因不明の停電が全米を襲う電子機器は勿論ネオン街の夜は暗闇と恐怖が支配する文明を奪われた市民はパニック下の暴動でどんな行動を選択するか?とりあえずE…

「冬の犬」

#一日一編15作目アリステア=マクラウド著カナダ作家人口の9割がアメリカとの国境で生活するカナダ極寒ノヴァスコシア州に初雪が降る強く大きい牧羊犬に橇を走らせる少女凍り付けの海豹を発見し持ち帰りを試みるが流氷が分離し命懸けで生還する北極圏の知恵…