MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2022-02-09 to 1 day

「獣の戯れ」

三島由紀夫著「チャタレイ夫人の恋人」に似た作品半身不随の夫介護に鬱蒼な妻妻に肉欲と性欲を注ぐ学生学生と妻の情事観察を望む夫だが嫉妬から学生を殴打言語障害を患う学生と服役した夫の2年越しの邂逅妻との歪な依存・愛憎・肉体関係は何を齎すのか…?失…

「美しい星」

三島由紀夫著政治×SFの異色作UFOとの邂逅を機に地球に住む異星人だと知った人々途端に”地球人”の全行動が愚かに見え始める核兵器・民族浄化・冷戦・格差と貧困を哲学的に問い三島流に人間の美醜を分析終盤の”人類救済の是非”は「カラマーゾフの兄弟」の”大審…

「ラディゲの死」

三島由紀夫著13短編集17〜31歳までの創作を収録肉体美への憧憬・神話古文・ホラー・ラディゲへの憧れ・海・平凡な日常“みのもの月”“山羊の首”“大臣”“魔群の通過”“花山院”“日曜日”“箱根細工”“偉大な姉妹”“朝顔”“旅の墓碑銘”“ラディゲの死”“復讐”“施餓鬼” 本書…

「音楽」

三島由紀夫著“地獄の音楽を聴いた”冷感症で聴覚異常を訴える魔性の美女研学な精神分析医近親相姦の兄不能症の青年嫉妬する看護婦鍵は”オルガスムス”騙し探り合う者達に待つ結末とは…?complex等フロイト心理学を多用したミステリ展開と平易な文体の醸すスリ…

「サド侯爵夫人/わが友ヒットラー」

三島由紀夫著2戯曲“サド侯爵夫人”澁澤龍彦に触発され執筆サディズムの祖サド侯爵妻ルネ惚れた狂気の男が出獄後は興味喪失するまでの過程“わが友ヒットラー”突撃隊(SS)幕僚長レームヒトラーの友を自認するも汚職でSSと共に銃殺“友”の権謀術数を巧みに描く

「鹿鳴館」

三島由紀夫著4戯曲“鹿鳴館”日本戯曲史上傑作華やかで醜い不平等条約改正の裏舞台と父殺しの陰謀“只ほど高いものはない”使用人を酷使した復讐のはずが逆に恐怖対象に変貌する過程“夜の向日葵”近代病院を舞台に血族の幸福を問う“朝の躑躅”時代に遅れる華族と時…