MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2021-11-01 to 1 month

「地上で僕らはつかの間きらめく」

オーシャン=ヴォン著ベトナム系アメリカ詩人著者の半自伝亡命後もベトナム戦争のトラウマに苦しむ母と祖母虐待を受ける息子歪んだ愛憎を受け少年は同性愛・煙草・薬物に染まっていく凄惨なNYのマイノリティ社会を描く愛する文盲の母に宛てた手紙に号泣必死

「雨の島」

呉明益著台湾作家6連作短編環境問題×台湾部族×生物学雨が降る土が潤うプログラムの”裂け目”が生む静謐な”雨の島”“闇夜 黒い大地と黒い山”“人はいかにして言語を学んだか”“アイスシールドの森”“雲は高度2000mに”“とこしえに受胎する女性”“サシバ ベンガル虎お…

「幸福な無名時代」

ガブリエル=ガルシア=マルケス著ノーベル賞コロンビア作家ジャーナリスト時代の長文記事集西欧巨大メディアに速報性で敵わないため物語調の記事で対抗大量の登場人物と精密な史実を操り既に後の創作活動への片鱗が垣間見えるコロンビアとベネズエラの内政…

「ぼくとネクタイさん」

ミレーナ=美智子=フラッシャール著日系オーストリア作家“ネクタイが素敵だからネクタイさん!”引き籠りの少年と初老で解雇された男性会社員“Hikikomori”は英語でも固有名詞が存在するリストラ・不登校・窓際族…息苦しい成果&協調主義の日本社会を歩み寄る2…