MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

「パタゴニア」

ブルース=チャトウィン
イギリス紀行家
古代のオオナマケモノ”ミロドン”に魅せられパナマ運河以前の太平洋航路マゼラン海峡
世界最南端”炎の島”
先住民と移民の確執
伝説の国
石の洞窟
錆びれた鉄道
ペリトモレノ氷河
招かれざる共産主義者
秘境パタゴニアの蒼天を仰ぐ紀行文学

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「ぼくは覚えている」

ジョー=ブレイナード著
アメリカ美術家・美術評論家
“ぼくは覚えている”
全ての文章がこの常套句を携えた詩ともエッセイともつかない1冊
他人の記憶を覗くのは楽しい
何でもない事を覚えていたり急に思い出したり
こうした感覚が著者の美術の才能に直結しているのだろうと感じた

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「高慢と偏見 下」

ジェーン=オースティン著

イギリス作家
豊潤な言葉と繊細な心理描写に胸打つ後半
エリザベスの瞳に惹かれるダーシー
しかし階級がそれを許さない
彼の不器用な求婚は失敗し姉妹は次々に破談
しかしその優しさがもう一度ベネット家を解していく
“高慢な男”と”偏見な女”
すれ違い引かれ合う恋人たちの行方は…?

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「高慢と偏見 上」

ジェーン=オースティン著
イギリス作家
文庫訳が8つもある超名著
貴族女性は誰に嫁ぎどう地代を得るかが全ての時代
男系嗣子のいないベネット家5人姉妹は”白馬の王子”を求め社交界
気難しく高慢だが聡明なダーシー
彼の凛々しい友人ビングリー
“偏見”が恋の扉を静かにノックする

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「夜のみだらな鳥」

ホセ=ドノソ著
チリ作家
畸形児院兼人体実験所
修道院&名家一族
盲聾唖者・魔女・巨人・変身体・呪術師
2つの時空と異能者の乱交が鬩ぎ合う”みだらな鳥たち”の晩餐
80%を人体改造された主人公の怨嗟が劈く夜に王が坐す
グロテスクな悪夢と迷宮の果てに誕生する”怪物”インブンチェ

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「感情教育 下」

ギュスターヴ=フローベール

フランス作家
悶々とする青年に転がり込む相続遺産と高級娼婦の誘惑
産業革命で格差と階級の不満が募り激動の政変の果て遂に二月革命勃発
社交界入りを果たした青年は野心から意中の夫人でない令嬢と結婚
革命に揉まれ冷酷と情熱を研ぎ澄ませていく
行動と景色を全て描く写実主義で往時のパリを再現

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