MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2023-06-15 to 1 day

「水死」

大江健三郎著日本ノーベル賞作家国際ブッカー賞最終候補非常に高度な”小説内演劇自伝小説”世界的作家の幼年に水死した父の遺品”赤革のトランク”それは作家本願の”水死小説”の鍵演劇団体「穴居人」が長江古義人(=大江)が女優と演劇作製の過程で人生と全著作を…

「芽むしり仔撃ち」

大江健三郎著日本ノーベル賞作家23歳の処女長編“若芽は毟れ仔畜は肉撃て”戦争疎開で疫病で村民が避難し見捨てられた感化院少年たち夢に見た平和と愛に満ちた共同体建設脱走し束の間の自由を謳歌するが村長が帰還し一転迫害へ理不尽な国家による強権的な大人…

「われらの時代」

大江健三郎著日本ノーベル賞作家戦中は天皇のために自殺が許されたしかし自殺に理由を求めてはいけなくなった戦後”われらの時代”虚無な性生活に疲れ天皇爆殺を試みるが…?ウェルベックやサリンジャーの描く閉塞感を遥かに先取し戦後の若者の心情をも浮き彫り…