MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2022-10-20 to 1 day

「石の女」

ジョン=マクスウェル=クッツェー著ノーベル賞南アフリカ作家閉塞的な南アフリカ農場社会の「地下室の手記」虐待に耐えかね父親殺しへ至る石女(うまずめ)娘の独白激しい抵抗と共に夢想・恍惚・憎悪・渇愛と様々な感情と自意識が螺鈿するアパルトヘイトは白…

「川をはさみて」

グギ=ワ=ジオンゴ著ケニア作家川を挟む2つの村の割礼問題を巡る「ロミオとジュリエット」的ロマンスギクユ族伝統学校の青年指導者vsキリスト教系学校の過激指導者とその娘奇しくも恋仲となる2人だが立場上から対立し嫉妬や権謀術数に翻弄されていく大英帝…

「ストーナー」

ジョン=ウィリアムズ著アメリカ作家“人は死ぬ時に何を思うだろう?”経歴は人生を語らない…でも語り継ぐ誰かはいる1教師の1人生の物語それがこんなにも美しい時代に翻弄された大学と家庭の往復の日々皺は深まり眼窩は窪み髪は白くなった微睡むような浮世はそ…