MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2021-05-18 to 1 day

「バウドリーノ 下」

ウンベルト=エーコ著 イタリア作家 聖杯グラダーレを求め第4回十字軍に参加するバウドリーノ 片脚の怪物スキアポデス 鶏冠持ちの蛇バジリスク 処女の飼う一角獣 天覆う怪鳥ロック鳥 半世紀の“東方見聞録”の果てに待つ司教ヨハネの国とは? 半端な西洋知識で…

「バウドリーノ 上」

ウンベルト=エーコ著 イタリア作家 記号論の権威にして稀代の語り手エーコ マルコ=ポーロは実在しないが歴史の新常識 だがもし実在したならバウドリーノと同じ人生を歩んだはず 語学と嘘の才を買われたバウドリーノ 赤髭王フリードリヒ2世の側近として旅に…

「マリア・テレジア」

“母は強し女帝は美し” 忍耐強くハプスブルク最大の危機に16子を生み英才教育 実力主義と慈しみの深い国母 円満かつ財政に聡い夫フランツ 外交革命立役者カウニッツ宰相 複雑な同盟や国際情勢で多民族帝国を纏めた政治手腕 子育て上手のママは目配りがよく政…

「ハワイの歴史と文化」

“写真花嫁” 写真1枚で日系ハワイ移民と結婚を覚悟した女がいた時代 カメハメハ王朝が倒れ米国最重要軍事基地へ 日系人vs日本軍の真珠湾攻撃を経て観光地化し今や”日本に最も身近な海外” 隻腕の大物日系議員ダニエル=イノウエからダイモンドヘッドまでハワイ…

「アリストテレス」

形而上・政治・倫理・生物・天文・医・化・物理・哲・詩・文学、、 正に”コペルニクス的回転”まで社会を基礎付けた”アリストテレス的常識” 学問を体系付けた”万学の祖”入門書 帰納法中心に冷静かつ現実的な思想 アレクサンドロス大王の師でもありその思想は…

「文字世界で読む文明論」

“文字に明るい”即ち”文明” 世界人口の半分はバイリンガルという 島国日本は完結した文明世界を持つが世界は文化圏が複雑かつ相互干渉して文明が発展した歴史がある 誕生来不変な漢字圏 旧ソ連キリル文字圏 キリスト教ラテン文字圏 イスラム教アラブ文字圏 イ…

「ガラスの鍵」

ダシール=ハメット著 アメリカ作家 ハードボイルド&ノワール小説の嚆矢 議員殺人事件を受け裏の支配者に仕える賭博師が犯人を追う 世界恐慌でギャングが跋扈する時代は日本で言うヤクザ全盛期 主人公も武器ではなく推理で拷問や自殺未遂を経てどんでん返し…