MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

「サルガッソーの広い海」

ジーン=リース著
ドミニカ国作家
ブロンテ「ジェイン・エア」前日譚
脇役のカリブ出身発狂幽閉女性は著者の半生と重なる
奴隷解放後も”白い黒んぼ”が支配するジャマイカ
迫害の末に英国紳士に嫁ぎ渡英するがそこでも異文化と階級制度に押し潰されていく…
植民地文学の傑作

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古典のスピンオフは定番だが”脇役の前日譚”という点で稀有で独特

ディケンズやドイル等ヴィクトリア朝文学は”極めて英国的”

逆に植民地文学のキプリングやフォースターと異なり”非大英帝国的”だった

ナイポールやコンデの作品とも近い
原住民が絶滅したカリブはポストコロニアル文学に最適なのかも