MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

「パープル・ハイビスカス」

チママンダ=ンゴズィ=アディーチェ著
ナイジェリア作家
家族想いだが狂信的キリスト教徒の父
父に諍う弟
異教徒扱いの祖父
流産を繰り返す母
傍観するだけの”私”
壊れていく幸せな家庭と母国の未来
波長の合わない紫外線を浴びて哀しく咲き誇る”パープル・ハイビスカス”

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感無量
また素敵な読書体験をしてしまった…
23歳の処女作とは思えない

“アフリカの縮図”ナイジェリア
その文化的多様性を扱う小説も盛ん

才能にも色々ある
三島なら猛る業火の様な才能
クッツェーならギラリと虹色に光るダイヤの様な才能
アディーチェは滔々と湧き出る泉の様な才能

余韻が残る作品