MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

「わが人生の小説」

レオナルド=パドゥーラ著
キューバ作家
<1980年代>
詩人サークル”皮肉屋たち”の仲間の誰かに追放された文学者
<1830年代>
独立期フリーメイソンに裏切られた若き詩人エレディア
2時代を巡る”歴史×詩人×政治ミステリ”
回想録が記す裏切り者とは?
おお!わが人生の小説よ!永遠に!

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著者の「犬を愛した男」も素晴らしい
史実を巧みにミステリ趣向に絡め且つ文学論や政治批評も密度が濃い
本作は特に詩と文学の表現がお洒落
カリブでも特にキューバは音楽が盛んでカルペンティエールなど音楽的作家も多い印象
本作は語り手は音楽的で人物のセリフと生き様は絵画的と使い分けも上手い