MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

「地球に散りばめられて」

多和田葉子
日本・ドイツ作家
4主人公体制

3部作1章
留学中に祖国が消滅した少女
言語学専攻のデンマーク学生
インド系トランスジェンダー
鮨職人のグリーランド青年
北欧国家共通で使える人工言語”パンスカ”を開発し母語話者探しの旅を巡る4人の物語
“地球に散りばめられた”言語文学

f:id:MarioPamuk:20220412224707j:image

改めて多和田作品は世界文学だなと思う
本書は著者が得意な日独英語だけでなく北欧・マラーター語(中部インド)・イヌイット等の言語も扱う
言語・国境・文化の壁を容易く越える
派手な社会性・政治性は表向きはないように見える
しかし文化自体が歴史と政治の中で育つので上記より深層で考えさせられる