MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

「儀式」

セース=ノーテボーム著
オランダ作家
“儀式”に没入する高等遊民の父子を第三者視点で描く
第1部 序章
第2部 時間と現代文明から徹底逃避するダース父
第3部 東洋文化・楽焼・茶道を崇めるダース子
高度経済成長で富裕化するオランダと対比させ不可逆的に喪失した”儀式”のない効率社会を揶揄

f:id:MarioPamuk:20211210185146j:image

西洋宗教は思弁的・自己主張的で衝突と分派が生じやすい
従って祈願や二元論など静止的
東洋宗教は概念的・体現的で寛容なため分派が少ない
従ってヨガや禅など行動的

中間的なイスラームは宗教というより”集団的共産共有社会規範”の印象
ワインが消費文化に留まる西洋に対し茶道は芸術として発達した