MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

「世界文学論集」

ジョン=マクスウェル=クッツェー
ノーベル賞南アフリカ作家
著作の9割が古典を下地にする著者
数学・文学で修士号で元プログラマーの著者の立体的文学考察
時制で不条理世界を生むカフカ
告白と二重人格の語り手
古典派音楽と文学の共通性
近代文学誕生の瞬間
アフリカ文学の意義

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冷酷なまでに写実的で乾いた現在形文体が特徴のクッツェー
リョサの様に熱く文学を語るタイプではなく客観的・論理的な切口で冷静に分析

知識や語学も必要な古典を更に自身の作品に再構築させる離れ技を軽々とやってのける

”新たな古典”を産み続ける所謂インテリ向け作家といえるだろう

以下著名な古典引用
「鉄の時代」古代ギリシア
「フォー」デフォー
「ペテルブルグの文豪」ドストエフスキー
「イエス3部作」新約聖書
「マイケル・K」カフカ「城」
「夷狄を待ちながら」ベケット
「恥辱」カフカ「訴訟」
「エリザベス・コステロジョイスユリシーズ
「ダスクランズ」南ア植民史