MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

「1941年 パリの尋ね人」

パトリック=モディアノ著
ノーベル賞フランス作家
本書は小説ではなく”広告の記録”というべきだろう
戦争は”尋ね人”を生む
著者同様ユダヤ系少女の”尋ね人広告”記事からナチ党支配期フランスを暴き出す
“名を忘れた人々に逢いに逝く”
10年の取材で語り手たる使命を全うしたNF

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アレクシェーヴィッチやトカルチュクも言及しているが民族虐殺はナチ党だけに留まらない
事情は多々あれ占領された国の市民も加担した
ペタン元帥の様に堕ちた英雄
グラスの様に告戒した者
戦後ドイツに罪を背負わせ逃げ隠れた著名人は多い
実際にホロコーストを誇張と感じる若者が最近は増加中という