MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

「わたしの名は赤 下」

オルハン=パムク著

禁忌の酒や珈琲を手に舞台がトルコなのにペルシア文化賛美や過激派組織が跋扈する

斜陽のオスマン帝国に忍び寄る退廃感と伝統のイスラムと近代科学のヨーロッパで揺れる細密画家の葛藤

美しい文体で近世イスラム世界の生活感や宗教観を再現

遠近法は悪魔の視点

肖像画アッラーへの冒涜

揺れるアイデンティティの狭間で"赤"の真実が明かされていく

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