MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2022-08-18 to 1 day

「郊外のフェアリーテイル」

キャサリン=マンスフィールド著ニュージーランド作家15短編集ヴァージニア・ウルフがライバル視した女性短編作家日常的な場面を鋭く切り取り反復を多用しオープンエンドが多い点はマンローに類似代わりに西洋文化(特に富裕層)の優雅さの翳にある冷たさや皮…

「ジェイン・エア 下」

シャーロット=ブロンテ著イギリス作家強く逞しいジェイン紳士だが消極的なロチェスター2人の結婚式に蠢く陰謀ハノーヴァー時代にここまで女性を主人公に且つ力強く描いた作品は少ない激しくも繊細な”秋の空”を喜怒哀楽と疾走感ある展開宗教・生活観・文化も…

「ジェイン・エア 上」

シャーロット=ブロンテ著イギリス作家王道の古典ロマンス幼少時に孤児ゆえ叔母の家で虐められたジェイン寄宿学校での恩師との出会いそして家庭教師となり出逢ったロチェスターがその運命を変えていく美しい情景描写と「嵐が丘」と似たモチーフ頻出でやはり…

「ニホンジン」

オスカール=ナカザト著日系3世ブラジル作家1908年 笠戸丸の日系移民サントス港到着世界最大のブラジル日本街は日本以上に明治の面影がある天皇崇拝など“ニホンジン”の待遇を巡り反枢軸国政策で政府が日系移民を迫害“日本以外の日本人”が受けた孫子の代まで…

「サッカーと11の寓話」

カミロ=ホセ=セラ著ノーベル賞スペイン作家11短編集スペイン所縁の動物や歴史上の人物をサッカーに関する寓話で描いたショートショート4部ノート構成(月曜版)(序)球を蹴る足もしくは万年青年の寓話=パラボラ(1)商品取引所(2)ファン・タラフェの運(3)子馬(4…