MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2022-08-15 to 1 day

「アルメニアの少女」

デーヴィッド=ケルディアン著アルメニア作家実体験を基にしたアルメニアの少女迫害の小説世界大戦でスパイ扱いされ難民後も検閲で家族や私有財産を奪われ続ける壮絶な迫害史尚フランスでは”オスマン帝国のアルメニア人大虐殺”を否定すると禁固刑1年+700万円…

「黄金のノート」

ドリス=レッシング著ノーベル賞イギリス作家2段組700Pの実験的傑作赤:政治記青:日記黒:作家録黄:小説内小説4冊が紡ぐ”黄金のノート”トルストイ級の多様な人物描写と冷戦世界の構造を緻密に分析母・作家・女・愛人・共産主義者・友人・中流層としての1女性の…

「ホットミルク」

デボラ=レヴィ著イギリス作家国際ブッカー賞最終候補作灼熱の懐かしい火傷しそうな人生は熱々の薄膜が張った”Hot milk”脚の病の療養でスペイン南部の保養地に来た母子学者の夢を諦め介護する娘に対し病で自暴自棄化の母母の痛みが共感覚し現地人との接触で…