MarioPamuk’s diary

海外文学と学術書の短文感想&忘備録

Entries from 2022-08-11 to 1 day

「ほんとうの物語」

マーガレット=アトウッド著カナダ作家隣の超大国アメリカ化への懸念極寒で美しく残酷な自然擬人・擬生物・植物化したエコロジカルな物質世界著者流の皮肉と幻想混じりの”ほんとうの物語”総じてカナダの特徴を捉えたパラドキシカルな詩集日本語と英語の両訳…

「メタル’94」

ヤーニス=ヨニェヴス著ラトビア作家EU文学賞受賞作1994年ソ連崩壊独立後ラトビア版「ライ麦畑でつかまえて」不良にヒッピーに酒に煙草に麻薬にセックスにそしてヘヴィメタルに憧れた青春時代重奏低音の産声を上げる若者文化誕生の裏舞台巻末に世界のヘヴィ…

「三体X 観想之宙」

宝樹著中国学生STAR WARSで言うと「ローグワン」的作品2次創作で好評を受け書籍化した著書公認の公式スピンオフ暗黒森林殲滅前後の捜索者vs潜伏者十次元宇宙から三次元宇宙への次元戦争とビッグクランチ三体人お伽噺と“階梯計画”秘話コンスタンティノープル…

「ポルトガルの歴史」

生殺与奪権を母体国スペインに左右されつつ長生きしてきた歴史打開策は海洋国家化+奴隷貿易(15C〜)→ イギリスとの同盟とメシュエン条約(17C〜)敏腕独裁者サラザールアフリカとブラジルに黄金郷を求めた王侯狂たちの末路カーネーション革命とEC参入現在はリゾ…